湖畔荘 ケイト・モートン
期待通りだった。上下巻を一挙に読んでしまった。
舞台はイギリスのコーンウォールという田舎町とロンドン,1930年代と2000年代を行きしつつ進む話の行く先が気になってしかたがない。
主な登場人物は,コーンウォールの広大な敷地で富裕な生活を営む家族の3世代の女性たちと70年前の謎を解明しようとする女性刑事。その女性刑事は,私生活でも仕事上でも深刻な悩みを抱えているが,休暇を取って育ての親である祖父がいるコーンウェルに滞在中,パーティの最中に家族から大切にされていた男の子が失踪した事件に心を奪われてしまう・・・。
どの人物も生き生きと魅力的に描かれている。
10人以上の人たちが次々と登場して,最初は戸惑ったが,読み終えた瞬間,すべての登場人物を家系図付きで書くことができた。
読後,最も素敵だと思った女性は,エリナ。
エリナを娘が評した言葉の一つを紹介しよう。
「・・そこには母の現実世界の見方,独自の道徳観が息づいていた。彼女には正義の感覚が先天的に具わっていた。それは抑制均衡(チェック&バランス)とでもいうべき複雑なシステムで,“公正”と彼女が呼ぶものの尺度を決めていた。」
内容の紹介はネットにたくさん出ているが,訳者の青木純子さんのコメントがおもしろかった。
キンドルに入っているから,是非読んで!
母は,次はモートンのどの作品に手を伸ばそうかと思案中。